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ジブリが映画化しなければ、静かに役目を終えていた『コクリコ坂から』
『コクリコ坂から』(佐山哲郎・原作、 高橋千鶴・著、角川書店) ――西暦を確認したくなるほど時代錯誤... 『コクリコ坂から』(佐山哲郎・原作、 高橋千鶴・著、角川書店) ――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。 自分が何か失敗をしたときとか、「あ、今大事なこと言ってるのに噛んじゃった」というときに、「今、噛んだでしょ?」とか突っ込んでくれる人がいると助かる場合がある。「場が和んだよ、笑ってくれてよかったな」みたいな。逆に、失敗についてわざわざ話を戻したりして突っ込んできて、「放っておいてくれたらよかったのに」という場合もある。「過ぎたことにしてくれれば、あらためて恥をかかずに済んだのに」である。 マンガ『コクリコ坂から』(角川書店)は後者の代表例だ。なぜ、この作品が特別に、あの、世界のジブリで映画化されてしまったのか。放っておいてくれた
2012/01/20 リンク