私だけが知る「山上徹也とは何者だったのか」…7月8日、安倍晋三暗殺から1年の日に事件現場で知ったこと（鈴木 エイト）

歴代最長政権を率いた元首相が白昼、衆人環視のもとに銃殺されるという衝撃の事件から１年が経つ。事件によって浮かび上がった旧統一教会と自民党とのいびつな癒着は、解明されたとはとても言えない。そして犯人・山上徹也の真意も、いまだに謎に包まれたままである。長年にわたり旧統一教会問題を取材してきた鈴木エイト氏は『「山上徹也」とは何者だったのか』を刊行し、山上の実像と彼を利用しようとする勢力について説き明かす。 山上はいま、何を考えているのか 安倍晋三元首相銃撃事件からちょうど1年となった7月8日。早朝、大阪市都島区にある大阪拘置所前に足を運んだ。安倍元首相の殺害等の容疑で逮捕・起訴された山上徹也被告が収容されている場所だ。大川沿いに建つ拘置所、その窓から彼も同じ曇天を見ているのだろうか。彼の胸中に去来するのはどんな思いなのか。 裁判員裁判となる山上の公判開始の時期については、6月に予定されていた第一