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カレーライスはなぜ日本人の「国民食」になったのか(森枝 卓士)
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カレーライスと日本の近代 文/森枝卓士 明治天皇と伊藤博文が一緒にカレーを食べていた 明治17(西暦18... カレーライスと日本の近代 文/森枝卓士 明治天皇と伊藤博文が一緒にカレーを食べていた 明治17(西暦1884)年の12月27日。明治天皇はお昼ご飯にカレーを食べている。デザートにミルフィーユというフランス料理のコースの食事だが、その中に鴨肉のカレーがあった。 場所は延遼館。日本初の西洋石造風建築物にして、鹿鳴館以前の社交の場。浜離宮内にあって、多くの国賓を迎えた。東京都が2020年のオリンピックまでにこれを復元して、賓客を迎えるということで、その名がまた出てきている。 「御陪食」、つまり一緒に食事をしたその相手も分かっている。伊藤宮内卿。あの伊藤博文である。伊藤が初代総理となるのが、1年後。内閣制度さえなかった時代、伊藤博文と明治天皇が、一緒にカレーを食べていたということなのである。カレー好き、歴史好きには、ちょっとした驚きのエピソードではあるまいか。 そんな事実を発見したのも(そう、文字