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「あやしい臨床試験」と「後出しじゃんけん」で作られる薬の効果(大脇 幸志郎)
現代医学において統計は非常に重要とされる一方、濫用されてもいる。この記事は全3回のシリーズでその状... 現代医学において統計は非常に重要とされる一方、濫用されてもいる。この記事は全3回のシリーズでその状況の一端を取り上げる。 前回は、医学における統計に対する誤った期待があること、その例として、試験は無効を証明するためにこそあること、厳格な試験は効果の小さい治療のためにこそあることを挙げた。 前置きがずいぶん長くなったが、ここからようやく統計のハッキングの話ができる。身近な例を取り上げよう。 ゾフルーザとはなんだったのか 2018年末から2019年初のインフルエンザシーズンに話題になった、ゾフルーザ®(一般名バロキサビルマルボシキル)という薬を覚えているだろうか。1回飲めば治療終了という便利さもあって一躍人気になったのだが、ウイルスに耐性を作りやすいという弱点があった。 なのになぜか人気爆発して多くの人に使われた結果、調査によってはタミフル®(一般名オセルタミビル)など既存の薬よりも耐性株数の
2020/09/30 リンク