中東和平：トランプ大統領、具体策なく 期待と不安交錯 | 毎日新聞

【エルサレム大治朋子】ホワイトハウスで３日、中東和平に関する共同声明を発表したトランプ米大統領とパレスチナ自治政府のアッバス議長は、互いを称賛しつつ、笑顔にはぎこちなさも漂った。テロ対策でアラブ諸国との連携を強化したいが、和平仲介の失敗は避けたいトランプ政権。交渉を再開したいアッバス氏。両者の予想外の接近に焦るイスラエル。それぞれの期待と不安が交錯している。 トランプ政権はこのところ、中東和平を「最優先事項」とする主張を強めているが、具体的方針は示していない。今回もトランプ氏は「喜んで仲介者になる」と述べたが、「（和平の）強制はできない」とも付け加えた。中東和平を訴えてアラブ諸国との関係強化を狙いたい思惑と、「最も困難な交渉」で成果を出し歴史に名を残したい意欲、従来の米政権と同様に失敗したくないという警戒心が見え隠れする。