今週の本棚・本と人：『新築がお好きですか？ 日本における住宅と政治』 著者・砂原庸介さん | 毎日新聞

◆砂原庸介（すなはら・ようすけ）さん （ミネルヴァ書房・３０２４円） 低成長時代に問いかける 政治とは遠くに見えてしまうメインタイトルだが、気鋭の政治学者が日本の住宅事情について、独特の見地から切り込んでいる。私たちはなぜ持ち家を望み、なかでも新築住宅を選択してしまうのか。気付かないうちに蓄積された持ち家社会を巡る規範や慣習、法、政治権力との関連を明らかにしている。 そもそもの関心の出発点は、「なぜ自分たちが住む家にこんなにお金を払わなければならないのか」という疑問だった。「我々は政府に対し、住宅にかかるコストを下げるべきだともっと求めていいと思う。人生で一番お金を使うのだから、当然政治的マターです」