藻谷浩介・評 『脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』 | 毎日新聞

◆『脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』＝堅達京子、ＮＨＫＢＳ１スペシャル取材班・著 （山と溪谷社・１６５０円） プラごみ大国としての自覚を アフリカ南部、ジンバブエ共和国の首都ハラレの裏町で、何本もの空のペットボトルを、蓋（ふた）の壊れたマンホールの中に投げ込む若者に出くわした。極度のインフレで公共サービスが崩壊しているためとはいえ、これらのボトルはどうなるのか、心配になった。乾燥した内陸国ではあるが、遠い将来にそのまま海まで流れて、何かの禍根となるのではないかと。 だが、この本を読んだ今となっては懺悔（ざんげ）せねばならない。「遠い将来に何かの禍根となる」などというのは、あまりにも呑気（のんき）な感想だった。世界の海洋には、毎年９１０万トンものプラスチックごみが流出しているのだという。それらは長年のうちに砕け砕けて５ミリ以下の「マイクロプラスチック」となっており

[taketake89]

”「シーフードは食べない」という人も、まったく安心できない。海中で微小に粉砕されたプラスチックは、風によって大気に取り込まれ、内陸の高山に降る雨水にまで含まれるようになっているというのだ”