記者の目：GoToトラベル不正 モラル問われる旅行業界＝中津川甫（東京経済部） | 毎日新聞

政府の観光支援事業「GoToトラベル」を巡り、旅行大手エイチ・アイ・エス（HIS）の子会社とホテル運営会社「JHAT」による給付金の不正受給が明らかになった。観光庁は、他にも別の旅行会社2社で不適切と疑われる受給が見つかったとしており、不正が業界に広がっている可能性がある。給付金の原資は税金であり、だまし取る行為は許されない。 GoToトラベルは、新型コロナウイルス禍で需要が急減する観光業界の支援が目的だ。日帰りや宿泊をした旅行者に対し、旅行代金の半額相当を政府が支援する。代金の35％（上限1万4000円）を割り引くほか、15％分（上限6000円相当）をクーポン券として配布する。合計1人当たり1泊最大2万円（日帰りは最大1万円）の支援が受けられる仕組みだ。 HISの子会社「ミキ・ツーリスト」「ジャパンホリデートラベル（JPH）」とJHATは、この給付金などを不正に受給していた。JHATは、