ホームズの倫敦を歩く：産業革命後の時代が生んだ鉄道ミステリー 日本の作家への影響は | 毎日新聞

推理小説のジャンルの一つに「トラベル・ミステリー」がある。有名な観光地で事件が起きたり、交通機関を舞台にして探偵が謎を解いたりする。特に、松本清張の「点と線」に代表されるような鉄道を使った作品の人気は根強い。 今なお世界中の読書好きを魅了する名探偵シャーロック・ホームズ。物語の主な舞台となったロンドンを歩き、その楽しさを再発見してみたい。 計4回の最終回です。連載のまとめはこちらから 鉄道とミステリーは相性がいい。列車内という限られた空間、時刻表を使ったトリック、そして逃亡劇など、物語の面白さが存分に楽しめる。名探偵シャーロック・ホームズを生んだ英国の作家サー・アーサー・コナン・ドイル（1859～1930年）もそのメリットを活用した。 「作品中には、よく鉄道に乗りながらホームズが事件の説明をする描写があります。ホームズがワトソンに話しかける形を取りながら、事件の全容を読者にも伝えているので