4歳2カ月、心臓を待った1220日 間に合わなかった小児移植の現実 | 毎日新聞

芳和ちゃんは、父の芳英さんに抱かれてご機嫌。その様子に、母の敬子さん（右）もほほ笑む＝大阪府吹田市で2022年3月16日（玉井敬子さん提供） わずか4歳2カ月で旅立ってしまった。身長は80センチに届かず、体重も8キロに満たない小さな体――。 2022年4月29日。心臓移植がかなわず、命を落とした玉井芳和ちゃんの頭をなでながら、母の敬子さん（37）は何度も「ごめんね……。ごめんね……」と繰り返した。 「国内での移植を選んでいなければ」「渡航移植を目指していれば」「親として何をしてあげられただろう」。無念や後悔に襲われ、ただただ自身を責めた。 「移植待機を私たちが勝手に決めたせいで、芳和には苦しいことばかり。人生を謳歌（おうか）させてあげられなかった」 この世に生まれてきた日、こんな残酷な結末を予期し得なかった――。 芳和ちゃんは18年2月、福井県内で3人きょうだいの末っ子として生まれた。体重