ゼロエミ、多様な道筋…3年前の「突貫工事」に縛られた温暖化政策 | 毎日新聞

自民党総裁選への不出馬表明の記者会見を終えた岸田文雄氏＝首相官邸で2024年8月14日午前11時53分、藤井達也撮影 岸田文雄氏が首相在任中の3年の間に、日本は「最も暑い夏」を2度も経験した。いずれも地球温暖化がなければ起こり得なかったとの分析結果が公表されている。世界でも異常気象が頻発し、多くの人命が失われている。気候変動という人類の存続を危うくする問題に岸田政権はどう向き合ってきたのか。 就任直後にゼロエミ推進を宣言 「官邸が急ごしらえで用意した戦略に3年も縛られることになった」。政府関係者の一人はこうこぼす。 その戦略とは「ゼロエミッション（ゼロエミ）火力」の推進だ。岸田氏の首相として初の国際舞台は2021年11月、英グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議（COP26）だった。岸田氏はCOP26での演説で、温室効果ガス排出削減策として「ゼロエミ化を力強く推進する」と宣