「訪日客だけ値上げ」の是非 鳥海高太朗が語る“二重価格” | 鳥海高太朗の旅行経済学 | 鳥海高太朗 | 毎日新聞「経済プレミア」

世界文化遺産で国宝にもなっている兵庫県の「姫路城」。2023年度はインバウンド（訪日観光）ブームもあり、約148万人が訪れた。このうち外国人旅行者は約45万人で過去最多となっている。筆者も「平成の大修理」（09～15年）以降、2度ほど訪れているが、遠くから眺めるだけでも美しい城だ。海外人気の高さもうなずける。 そんな中、姫路市の清元秀泰市長が訪日客への「入城料値上げ」を検討すると表明し、話題となっている。清元市長は6月16日、市内で開催された防災関連のシンポジウムで姫路城の値上げに言及。「外国人観光客は30ドル、市民は5ドルくらい」といわゆる“二重価格”にも踏み込んだ。今回はこの二重価格について考えてみたい。 現在の入城料は1000円 現在、姫路城の入城料は大人1000円で、1ドル＝158円とすると約6.3ドルだ。シンポジウムでの市長の発言に沿えば、訪日客は4740円（30ドル）に値上げし