銀行員はエリートか？ クレディ・スイスが問う人材活用 | 欧州深層 | 宮川裕章 | 毎日新聞「政治プレミア」

経営危機に陥りスイス最大手銀行UBSに救済合併された同大手旧クレディ・スイス従業員の処遇が注目されている。 UBSは8月末までに人員整理の詳細を明らかにするとしており、合併で3万人分を超えるポストが消滅するとの見方もある。 かつて金融立国スイスの象徴だったクレディ・スイス。そのエリート行員たちはどこへ向かうのか。 「国民にとって銀行員のイメージは、必ずしもよいものではありません」。スイスの銀行従業員で組織する「スイス銀行員組合」のクローディヌ・エセイバ氏は語る。 同組合は現在、同行を離職する銀行員を支援する活動を続けている。だが、国民の共感を得るのが難しいという。 両行が本店を置く金融都市チューリヒで取材した4月、市民のクレディ・スイスに対する冷ややかな目を感じた。専門家から街を歩く人まで、多くの人がクレディ・スイスの経営姿勢を批判した。 米国流への反感 一つには、米国を模倣してリスクの高

[kechack]

米国を模倣してリスクの高い投資に注力し、スイスの堅実な金融の伝統から逸脱したことへの怒りがある