軍艦島のリアル（姜道時氏）｜史実にアクセス／「徴用工」問題を考えるために

「労務係は3人交代で、皮バンドでなぐった」 昭和15年（1940年）約2000人の同胞と一緒に石炭船で樺太に運ばれた。三菱・塔路炭坑で４年間働き、妻子も呼び寄せた。ところが19年9月、樺太の炭鉱整理で端島への配置転換を命令され、妻子を樺太に残したまま約100人の仲間を端島へ来た。 寮に入れられ1日2交代の重労働。労務係の監視が厳しく、疲れて仕事に出なかったり、家族への手紙に島の実情を書いたりすると、すぐに連れて行かれた。労務事務所前の広場で、手を縛られたままの朝鮮人を3人の労務係が交代で軍用の皮バンドでなぐった。意識を失うと海水を頭から浴びせて地下室におしこめ、翌日から働かせた。 「1日に2、3人がこうしたリンチを受けていた。屋外でやったのは私たちへの見せしめのつもりだ。とても口では話せないくらいひどいリンチだった」と姜さんは語った。 （出典：『長崎新聞』1974年4月28日付） ●解説