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源氏の朝寝を怪しむ頭中将【源氏89 第六帖 末摘花9】頭中将は 御所で楽と舞の役の人選で忙しい。源氏は、姫に夕方手紙を出すことができたが、訪ねなかった。 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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二条の院へ帰って、源氏は又寝《またね》をしながら、 何事も空想したようにはいかないものであると思っ... 二条の院へ帰って、源氏は又寝《またね》をしながら、 何事も空想したようにはいかないものであると思って、 ただ身分が並み並みの人でないために、 一度きりの関係で退《の》いてしまうような態度の取れない点を 煩悶《はんもん》するのだった。 そんな所へ頭中将《とうのちゅうじょう》が訪問してきた。 「たいへんな朝寝なんですね。なんだかわけがありそうだ」 と言われて源氏は起き上がった。 「気楽な独《ひと》り寝なものですから、 いい気になって寝坊をしてしまいましたよ。御所からですか?」 「そうです。まだ家《うち》へ帰っていないのですよ。 朱雀《すざく》院の行幸の日の楽の役と舞《まい》の役の人選が 今日あるのだそうですから、 大臣にも相談しようと思って退出したのです。 そしてまたすぐに御所へ帰ります」 頭中将は忙しそうである。 「じゃあいっしょに行きましょう」 こう言って、 源氏は粥《かゆ》や強飯《こわめ