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歴史の「負け組」から見えてくるものとは 佐藤卓己氏×平山昇氏対談(後編)|『負け組のメディア史』刊行記念
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佐藤卓己氏×平山昇氏対談について 見落とされてきた「地方」メディア 平山 本書『負け組のメディア史』... 佐藤卓己氏×平山昇氏対談について 見落とされてきた「地方」メディア 平山 本書『負け組のメディア史』の特色の一つが、地方への視点です。メディア史は多くの場合、都市が中心になりがちです。本書で佐藤さんが描く野依秀市という人物は、自ら刊行する『実業之世界』『帝都日日新聞』といったメディアを自分の道具として使い、大実業家の渋沢栄一や哲人である三宅雪嶺にも気に入られて、東京でメディア人間として名を立てていく。しかし、45歳の1924年に地元の大分から衆院選に出馬するのですが、得意のメディア戦略すらうまくいかず大失敗します。佐藤さんは、「野依は地方の地盤がわかっていなかった」という描き方をしていますが、面白い指摘です。 私は去年の3月まで7年間福岡に住んでいましたが、東京のような大都市ではタコツボで別々になっている民俗学、歴史学、学芸員といった人たちの間の距離が近く、みんな知り合いです。東京中心のジ