日本は豊かな国だと信じる人の｢大いなる誤解｣

上野：惰性ですね。成功体験があると、自然とその状況に依存することは、日本に限らずどの国の社会にもあります。 出口：無意識の偏見がずっとあるような気がしています。たまたま戦後うまく復興ができたから、日本型経営が正しいという偏見が強化されたのではないでしょうか。 でも、戦後の日本の高度成長を計量的に分析すれば、ほとんどが人口増と、朝鮮戦争による特需などの偶然が重なったことが実は大きいのです。 上野：歴史の偶然のおかげですね。 出口：そうです。必ずしも日本型経営が優れていたからではありません。日本型経営が優れていたら、この30年間、正社員ベースで2000時間以上働いて平均1パーセントしか成長しないことの説明がつきません。 欧米は数百時間少ない労働時間で平均2.5パーセント成長しているわけですから、真実はむしろ日本型経営は劣っていると理解すべきです。 数字を見ない、合理的経営ができない経営者 上野

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“平等型企業のほうが売上高経常利益率は高いことを明らかにしました。他にも、女性差別が少なく女性役員がいるような企業のほうが、生産性が高く、パフォーマンスがいい”