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50代に糖尿病で亡くなった男が残す痛切な筆録
30歳前後で離婚して以来、ずっと独身を貫いている。テニスやスキー、スキューバダイビングが好きで、自... 30歳前後で離婚して以来、ずっと独身を貫いている。テニスやスキー、スキューバダイビングが好きで、自宅マンションには天体観測用の望遠鏡やパソコン、カメラなどの品々が並ぶ。仕事に趣味にと精力的に過ごす一方で、無類の酒好きを止める相手はいない。いつしか医師から糖尿病(2型)だと告げられた。 不整脈の症状もあり、毎日薬を服用して定期的に医師の診察を受けるようになったが、自覚症状は薄く、不健康な生活が改まる気配はなかった。冒頭の引用はその果てに起きた“入り口”の出来事といえる。 右目失明。運転免許を返納し、視力回復に望みをつないで2年ほど通院して検査したがよい兆候は現れなかった。それどころか、数年と経たないうちに神経障害や腎臓障害など、糖尿病でよく起きる複数の合併症が頭をもたげるようになってきた。理由は本人もよくわかっている。