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新刊レビュー/倉橋耕平『歴史修正主義とサブカルチャー』 評=早川タダノリ
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新刊レビュー/倉橋耕平『歴史修正主義とサブカルチャー』 評=早川タダノリ
歴史修正主義批判はなぜ相手に刺さらないのか 「新しい歴史教科書をつくる会」が設立記者会見を行った19... 歴史修正主義批判はなぜ相手に刺さらないのか 「新しい歴史教科書をつくる会」が設立記者会見を行った1996年12月から22年が経とうとしている。2018年現在の大学生のほとんどは、生まれたときから「自虐史観」非難の中で育ったことになる。 この20年で歴史修正主義的言説が言論の市場に占める割合は拡大し、書店では民族的差別主義と一体となった歴史修正主義本が跋扈した。その種の言説のビリーバー/ユーザーもまた増大している。そもそも歴史修正主義に非常に親和的な政治エリートが政権に居座っている中で、大規模な公文書の改竄が行われていたことも明らかになり、すでにごく近い過去さえも政治的利害によって「修正」されてしまうほど社会は劣化した。 もちろんこの過程は同時に、かつての「つくる会」教科書などの歴史修正主義を批判する言説や運動も、それなりの規模と質で展開された時期でもあった。けれども、そんな批判を意に介する