憧れの車整備士、夢捨てるほどの激務 追いつめられ、手を染めた不正：朝日新聞デジタル

真冬の空気が冷たい、夜中の自動車整備工場。作業中の男性（28）の口からこぼれるのは、白いため息ばかりだった。 「このまま、仕事を続けていいのだろうか」 父親が乗っていたのがイタリア車「アルファロメオ」で、子どもの頃から車いじりが好きだった。整備士2級の資格を専門学校で取り、2014年、横浜市にある輸入車販売会社で整備士として働き始めた。 待っていたのは作業に追われる日々だった。高級車を持つ顧客への配慮から、納期は通常の店舗よりも短かった。繁忙期は、朝8時から遅いときは深夜0時を過ぎることも。営業サイドからの要望で朝5時まで働いたこともある。 立体駐車場のような建物で、雨はしのげるが冬は風が入って寒い。夏は気温は40度近くに達し、作業着は汗でびしょびしょになった。入社数年後にエアコンがついたが、「電気代が利益を圧迫する」という経営陣から節約を求められた。 さらに激務になったのが19年ごろ。大

[aya_momo]

クルマを持つ人間が負担すべきだが。