＜ミイラの真実＞（上）積み重ねた発見、集結：中日新聞Web

絶えず私たちの好奇心を刺激する古代エジプト文明。世界屈指のコレクションを誇るオランダの「ライデン国立古代博物館」の所蔵品の一部が、十九日から愛知県美術館で展示されている。ミイラをコンピューター断層撮影（ＣＴ）するなど研究の最前線を現地から報告する。 翼を持った太陽とコブラの装飾が入り口に施された神殿。石造りの内部に足を踏み入れると、二千年の時を超えてタイムスリップしたかのような感覚にとらわれた。オランダのライデン国立古代博物館一階ロビーにある「タフェー神殿」。エジプト文明の一端を伝える神殿はかつて、ダムの底に沈む運命にあった。 神殿があったのは、ナイル川上流域にあるヌビア遺跡群。エジプト政府は一九六〇年代に川の氾濫対策のために巨大ダムを建設し、遺跡は水没の危機に直面した。国連教育科学文化機関（ユネスコ）が保護運動を呼び掛け、オランダも参加。タフェー神殿は、貢献への感謝としてエジプト側から贈