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これは最早、裁判ではない
京都地裁で係属している某著名事件の報道記事を読んでの偽らざる感想である。 目にした報道記事は、被害... 京都地裁で係属している某著名事件の報道記事を読んでの偽らざる感想である。 目にした報道記事は、被害者遺族の意見陳述を報じた次のようなものである。 「母親は事件後に遺体と対面した際、(被害者が)赤ちゃんの時に聞かせていたという子守歌を歌い、頰擦りして別れを惜しんだ・・子守歌はこの日の法廷でも披露し、裁判員の涙を誘った。」 法292条の2は、被害者等に、「被害に関する心情」や「事件に関する意見」の陳述を認め、これを量刑の一資料とする限度で斟酌することを予定しているが、陳述を超えた感情的情報を持ち込むことは許していない。 感情的情報が、有罪無罪の判断や、量刑判断を被告人に不利な方向に押しやる危険性は夙に指摘されて未だ研究途上であり、政策的な妥協点として法292条の2が制定された経過を考えると、その取り扱いは厳格でなければならず、その範囲を逸脱した意見陳述が行われた裁判は、許容されない情報が検証不
2024/01/26 リンク