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社説 被災者になって分かったこと/阪神・淡路大震災 |震災1年目|阪神・淡路大震災|連載・特集|神戸新聞NEXT
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社説 被災者になって分かったこと/阪神・淡路大震災 |震災1年目|阪神・淡路大震災|連載・特集|神戸新聞NEXT
あの烈震で神戸市東灘区の家が倒壊し、階下の老いた父親が生き埋めになった。三日目に、やっと自衛隊が... あの烈震で神戸市東灘区の家が倒壊し、階下の老いた父親が生き埋めになった。三日目に、やっと自衛隊が遺体を搬出してくれた。だめだという予感はあった。 だが、埋まったままだった二日間の無力感、やりきれなさは例えようがない。 被災者の恐怖や苦痛を、こんな形で体験しようとは、予想もしなかった。 あの未明、ようやく二階の窓から戸外へ出てみて、傾斜した二階の下に階下が、ほぼ押し潰されているのが分かり、恐ろしさでよろめきそうになる。父親が寝ていた。いくら呼んでも返答がない。 怯えた人々の群が、薄明の中に影のように増える。軒並み、かしぎ、潰れている。ガスのにおいがする。 家の裏へ回る。醜悪な崩壊があるだけだ。すき間に向かって叫ぶ。 何を、どうしたらよいのか分からない。電話が身近に無い。だれに救いを求めたらよいのか、途方に暮れる。公的な情報が何もない。 何キロも離れた知り合いの大工さんの家へ、走っていく。彼の