給特法を継続するなら、順守するべき要件がある（小川正人）

給特法は本来、時間外勤務を厳しく制限している 中教審の質の高い教師の確保特別部会は、「本部会審議の関ケ原」（矢野和彦・文部科学省初等中等教育局長の第9回会議席上での発言）とされた教師の処遇改善の審議を4月4日の第11回会合で終え、方向性をまとめる最終段階に入った。ここまでの審議状況から見て、給特法の継続と教職調整額の増額がほぼ確定したといえる。給特法が今後も継続されそうであることから、改めて給特法を巡る論点整理を行い、給特法を継続する際に考慮すべき要件を考えてみたい。 給特法は、「定額働かせ放題」を容認する法律であると批判されてきた。だが、給特法の擁護派だけでなく批判派の一部からも、給特法本来の趣旨は逆に時間外勤務を厳しく制限するものであったとする評価もある。 給特法は、正規の勤務時間を超えて時間外勤務をさせる場合は政令に定める基準に従うこと、政令を定める場合は健康と福祉を害さないよう勤務