京アニ放火は「妄想」の影響か否か 2人の鑑定医、証言真っ二つ｜社会｜地域のニュース｜京都新聞

３６人が死亡、３２人が重軽傷を負った２０１９年７月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告（４５）の裁判員裁判の第１５回公判が１０月３０日、京都地裁（増田啓祐裁判長）で開かれ、精神鑑定した医師２人への証人尋問が行われた。検察側の依頼で起訴前に鑑定した医師は、犯行当時の青葉被告が抱いていた妄想について「行動に著しく影響を与えていたとは言えない」と述べ、改めて妄想と事件との関連は低いとの見方を示した。 これまでの公判で、２人は精神鑑定の結果を報告。検察側の依頼で起訴前に鑑定した大阪赤十字病院の和田央医師は、被告を「妄想性パーソナリティー障害」と診断し「（妄想の）犯行への影響はほとんど認められない」と指摘。一方、弁護側請求で起訴後に鑑定した東京医科歯科大の岡田幸之医師は、「妄想性障害」と診断し「妄想が犯行動機を形成した」と述べ、２人は異なる鑑定結果を示していた。 この