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大胆で危険なサウジの経済改革
<若き副皇太子ムハンマドが主導する長期構想「ビジョン2030」は、石油依存からの脱却を目指すが、... <若き副皇太子ムハンマドが主導する長期構想「ビジョン2030」は、石油依存からの脱却を目指すが、その実現は国家体制を変容させるリスクもはらんでいる>(写真はムハンマド副皇太子) サウジアラビアの王族がその名声を懸けて、大胆な経済改革計画に乗り出している。原油価格下落による歳入減で疲弊した経済を立て直すためだが、その処方箋として4月に発表された長期構想「ビジョン2030」はリスクだらけ。とりわけ、サウジ王族と国民の「社会契約」――原油収入を基にした手厚い福祉を享受する代わりに体制に従う――を断ち切る恐れがある。 6月初旬には、ビジョン2030の一部である「国家変革計画」が閣議承認された。この5カ年計画はエネルギー分野への依存減、国営企業の民営化、補助金削減などを提唱。目指すは石油産業の衰退期に向けて財政を引き締め、福祉を削減することだ。「われわれは石油に依存している」と、経済改革を率いるムハ