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企業債務がトリガーとなる米国経済・金融危機
変わる米国の債務構造と金融引き締めの影響 米国では歴史的なペースで金融引き締め策が実施されてきたが... 変わる米国の債務構造と金融引き締めの影響 米国では歴史的なペースで金融引き締め策が実施されてきたが、そのもとでも経済はなお失速には至っていない。金融引き締めの影響がまず金利に敏感な個人の住宅投資、自動車購入の悪化をもたらし、その影響が経済全体に波及する形で景気が後退に陥るのが今までの典型的なパターンであった。しかし、住宅投資が2年間減少を続ける中でも、経済全体の安定はまだ大きく崩れていないのが現状だ。 これは、個人消費がコロナ問題の影響をなお強く受けていることに加えて、個人債務の状況が大きく影響しているものと考えられる。2008年のリーマンショック前には、個人債務の膨張と住宅不動産価格高騰とが同時に進行していた。しかしその後は、個人債務のGDP比率は急速に低下していく。いわゆるデレバレッジ(債務削減)が進んだのである(図表1)。 個人の経済活動が金利上昇に対する抵抗力を強めた背景には、債務
2023/05/16 リンク