【スポーツ異聞】悲劇の女王セレスの教訓はどこへ？ 全仏でフェデラーもひやり、看板吹き飛ぶ珍事も（1/3ページ）

テニス選手の周辺は危険がいっぱい－。７日に閉幕した全仏オープンで「ビッグ４」の一人、ロジャー・フェデラー（スイス）が初戦を終えてコートを去ろうとしたとき、突然現れたファンに写真撮影をせがまれるハプニングがあった。幸い、危害が及ぶことはなかったが、フェデラーは大会の警備に苦言を呈して「観客にはコートへのフリーパスが与えられているわけではない」と皮肉を込めた。２２年前、テニス界を揺るがした「切りつけ事件」のおぞましい記憶がよみがえる。 水を差すハプニング 「コート上での安全はしっかり確保してもらいたい」。普段、冷静沈着なフェデラーの怒りは収まらなかった。全仏のコートと観客席の境のフェンスは、大人の背丈ほどもない。選手目線のラリーはテニス観戦の楽しみの一つだが、選手の立場からすれば「身の危険」と隣り合わせというわけだ。 世界のツアーを転戦している選手は常に「孤独」である。フェデラーに限らず、世界