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よだかの星 宮沢賢治
よだかは、実にみにくい鳥です。 顔は、ところどころ、味噌(みそ)をつけたようにまだらで、くちばしは... よだかは、実にみにくい鳥です。 顔は、ところどころ、味噌(みそ)をつけたようにまだらで、くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。 足は、まるでよぼよぼで、一間(いっけん)とも歩けません。 ほかの鳥は、もう、よだかの顔を見ただけでも、いやになってしまうという工合(ぐあい)でした。 たとえば、ひばりも、あまり美しい鳥ではありませんが、よだかよりは、ずっと上だと思っていましたので、夕方など、よだかにあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首をそっ方(ぽ)へ向けるのでした。もっとちいさなおしゃべりの鳥などは、いつでもよだかのまっこうから悪口をしました。 「ヘン。又(また)出て来たね。まあ、あのざまをごらん。ほんとうに、鳥の仲間のつらよごしだよ。」 「ね、まあ、あのくちのおおきいことさ。きっと、かえるの親類か何かなんだよ。」 こんな調子です。おお、よだ
2011/06/27 リンク