asahi.com：第２４回 旅がうるおう本選び - トラベル「旅する人のアペリティフ」

旅先で読みたい本とは 第２４回 旅がうるおう本選び 2007年02月13日 旅に出るときは、必ず数冊の本を持っていく。 写真／中野愛子 飛行機には機内誌もあれば映画もあるし、ガイドブックにも目を通したい。現地に着いたら今度はあれこれ歩きまわり、部屋に帰ると疲れてぐっすり、なんてことだってある。短い旅なら何冊も持っていったところで、そうそう読めるわけでもない。 それでも、その土地に行ったからこそ、より楽しめる本だってある。 ケニアに行ったときには、デンマーク出身の作家アイザック・ディネーセンの『アフリカの日々』（晶文社）を読んだ。作者の本名はカレン・ブリクセン。スウェーデンの男爵夫人ながら、男性名で書いた「自伝文学の最高傑作」とも称される作品だ。北欧の貴族社会を捨ててケニアに移り住み、女ひとりでコーヒー農園をきりもりする様子が描かれている。 風景や登場する人物たちの描写も秀逸で、動物の鳴き声

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　ケニアに行ったときには、デンマーク出身の作家アイザック・ディネーセンの『アフリカの日々』（晶文社）を読んだ。