河北新報 東北のニュース／復興まちづくり 津波免れても立ち退きか 宮城・女川町

復興まちづくり 津波免れても立ち退きか 宮城・女川町 かさ上げ工事の対象となっている宮城県女川町石浜地区。住宅がまばらに残るが立ち退きを迫られている 東日本大震災の被災地で、津波被害を辛うじて免れたり、被災した後に再建を果たしたりした住民が、区画整理などの復興事業によって立ち退きを迫られるケースが出ている。「あまりに理不尽だ」。自治体が描く復興計画の陰で、住民はやり場のない怒りを抱える。 宮城県女川町の中心部から東へ約２キロの石浜地区。山あいの傾斜地に住宅が点在する。震災前は１５０世帯が住んでいたが、津波で家屋の９割が流失。１６世帯が残った。 町は地区の１３ヘクタールを区画整理し、最大１２メートル盛り土して約１００戸が再建できるようにする。かさ上げ工事のため、１６世帯は年度内の家屋解体と立ち退きを余儀なくされる。 「津波は免れたというのに、なぜ家を壊さなければならないのか。理不尽とし