日本文化への道教の影響

日本文化への道教の影響 どういうわけか、日本文化に対する仏教の影響は知られているが、道教の影響についてはあまり知られていない。そこで、日本文化に対する道教の影響について少し触れておこう。 神道 「天皇と真人」を中心とする天上の神仙世界を理想として説く道教のことを、中国で古くから神道とよぶ。神道と言うと、日本だけのもののように考える方が多いが、実はそうではない。日本で神道という言葉が使われ始めるのは、『日本書紀』が始めてである（七百二十年）。ところが、中国では西暦前四世紀ないし三世紀ごろから使われている。日本の神道学が、文献的な拠り所とする『古事記』『日本書紀』の記述そのものが、すでに神話伝説の成文化の段階で大きく神仙道教の影響を受けている。 天皇家に見られる道教の影響 天皇 道教の神学において、最高神である天皇大帝が天皇の語源である。 神器 天皇の位を象徴する鏡と剣が「神器」とよばれている