連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『ひよっこ』が佳境に入り、えげつない展開となっている。 奥茨城出身の谷田部みね子(有村架純)は、高校卒業後は家業を手伝い農家で働く予定だったのだが、東京で出稼ぎ労働者として働いていた父・実(沢村一樹)が行方不明となったことをきっかけに上京。実の行方を探しながらトランジスタラジオの製造工場がある向島電機で働くことになる。 向島電機の乙女寮、あかね荘、すずふり亭。様々なコミュニティを行き来することで仲間に恵まれ成長していくみね子は、やがて実と再会する。 しかし、実は記憶喪失となっており、女優の川本世津子(菅野美穂)とともに暮らしていた。 脚本を担当する岡田惠和は、2001年の『ちゅらさん』、2011年の『おひさま』に続いて朝ドラは三度目の登板。 岡田の脚本は、悪い人間が登場しない優しいユートピア(理想郷)を描いていると言われることが多い。 そんな岡田の作家性と、明