人は、加害者と被害者がいるとき、被害者のほうを責めがちである──という話を聞いた。例えば学校でいじめが起きたとき、いじめられた側に「あなたにも非がある」と言うこと、あるいは性犯罪に遭った女性に対し、「自衛が不十分だった」と責めること。 やる方が悪いに決まっているのに、どうして被害者を叩いてしまうのか? いじめを例に考えてみると、いじめる側が悪いのはもちろんだけれど、学校という制度や空間デザインにも問題はある。たいていの学校は、人を管理するよう設計されているため閉鎖的な雰囲気であり、自分の通った中学校に関して言えば、ほとんど刑務所のようだった。そこに、同じ年齢で一定の入学条件を満たすというだけで、趣味も性格もまるでバラバラな子どもたちが一斉に集められる。この構造に非はないのだろうか。いじめと無関係だと言えるんだろうか。 でもたいていの人は言う。「そんなこと言っても」と。 「学校の制度や空間設