東日本大震災で甚大な被害が出た東北地方の太平洋沿岸部。青森県境に近い岩手県久慈市も例外ではなく、2人が死亡し、2人が行方不明となったままだ。久慈は古くから琥珀や陶磁器の生産で知られたが、近年はインターネットを通じて、三陸鉄道の美少女運転士「久慈ありす」と、小袖海岸の「かわいすぎる海女」の人気が急拡大。ファンの“聖地”となるほどだった。三陸では珍しい「萌える」観光資源を抱えつつ、津波で壊滅的な被害を受けた久慈は、ようやく復興への歩を進めつつある。(鎌田剛)三陸鉄道の“アイドル” 取材でまず訪れたのは、三陸鉄道の久慈駅。三鉄は南リアス線が全線、北リアス線は島越-野田玉川間で、線路や駅舎が流されて運休となった。北リアス線は中央部を分断された形で、久慈からは2駅(約11キロ)先の陸中野田までの往復となっている。 復旧費用の見積り額はおよそ180億円。もともと同社は17年連続赤字だっただけに、まさに