総務省は10月27日、電子書籍の普及に向けた環境整備事業として10件を採択したことを「委託先候補」とともに発表した。データ規格の統一、紙と電子の書籍を同時に検索できる情報データベースの構築などが含まれ、今年度予算で合計8億3,000万円を拠出する。三省懇談会報告書の方向に沿って、「日本語統一規格」に大きな比重が置かれており、シャープとボイジャーの2社がファイルフォーマットの統一仕様をまとめ、電子書籍出版協会に無償ライセンスすることになった。限られた公開情報の範囲で、今後の問題を考えてみたい。 新規事業には必ず「財源」の裏付けが要求される当今では、8億の予算は軽いものではない。他方で採択された10件の事業(とくに「統一規格」以外の部分)には十分とは言えない。10月も末の時点で予算がつき、「候補者」はこれから大急ぎで正式契約を結び、4ヵ月で予算を使い切り、納品する成果物をまとめることになる(!