カナダのオタワで開かれている環太平洋経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合で、著作権保護をめぐる交渉の決着が先送りされることになった。日本が保護期間の延長や刑罰の強化に抵抗しているのが大きな原因だ。ただ、日本は孤立しており、最終的に妥協を迫られる可能性が高い。 オタワでは首席交渉官会合と並行して分科会を開き、参加国の著作権ルールの統一をめざして協議している。いまの著作権の保護期間はおもに、米国など「作者の死後70年」の国と、日本など「50年」の国に分かれているからだ。 交渉関係者によると、ミッキーマウスやハリウッド映画などの「稼げるコンテンツ」を多く抱える米国は「70年」にそろえるよう主張。これに対し、複数の参加国が米国に歩み寄る姿勢をみせ始め、「50年」を強く主張するのは日本だけになったという。とくに日本は、米国など第2次世界大戦の連合国の作品の著作権を10年間ほど長く守る「戦時加算」を