IFLA,電子書籍の貸出をめぐる各国の動向を紹介 図書館における電子書籍の貸出サービスに関して,国際図書館連盟(IFLA)は2014年7月30日,“IFLA 2014 eLending Background Paper”を公表した。これは2012年に出されたバックグラウンドペーパー(背景資料)(E1293,CA1816参照)の改訂版であり,改めて電子書籍とその貸出サービス(eLending)の定義を示すとともに,過去2年間の電子書籍貸出をめぐる各国の図書館,出版社,図書館関係団体,あるいは政府の動向について要点をまとめたものである。本稿では,その概要を紹介する。 1. 電子書籍と電子書籍貸出サービスの再定義 IFLAは,背景資料を公表した2012年以降に行われた議論や,図書館が保持(hold)する電子書籍の統計を分析する中で,「電子書籍」という言葉の定義について,図書館界における共通の認識