二十歳の夏、『池袋ウエストゲートパーク』と出会った。 忘れもしない、大学時代の友達の家でのことだ。サークルの飲み会の帰りに寄ったその子の家の本棚に、『II少年計数機』とともに並んでいるのを見つけ、「おもしろいの?」と聞いた。 この時に、「すごくおもしろいよ」と私に本を貸してくれた彼女に、今もずっと感謝している。 ちょうど、ドラマ化され、それが人気を博していた頃だった。みんなに人気があるものには容易に飛びつきたくない……という厄介な自意識を抱えていた私は、けれど、本を開いて最初の一編で、このシリーズにノックアウトされた。 人気があって当然だ、と思った。 何故ならそれは、私たちの小説だったから。 ものすごく軽やかで、とびきりの疾走感とともに心の奥にまで浸透してくる主人公マコトの語り口。生き生きとして、登場とともに圧倒的にビジュアルの浮かぶ魅力的なキャラクターたち。すぐ近くで起こりそうなほど生々
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く