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ブックマーク / katukawa.com (12)

  • 欧州の食文化を破壊する日本の魚食 part 2 - 勝川俊雄公式サイト

    ヨーロッパウナギの方が、大西洋クロマグロより、資源状態は良かった ヨーロッパウナギをワシントン条約に載せることが決定した2007年のハーグの締約国会議の前に、FAOの専門家パネルは、ヨーロッパウナギが付属書IIに該当するという勧告を出した。レポートはここ ヨーロッパウナギの漁獲状況はこんな感じ。当時は、欧州の研究者のなかにも、不確実性が大きいし、規制の必要性を疑問視する声があった。 一方、タイセイヨウクロマグロの場合も、専門家パネルは付属書IIで完全に合意した。また、日人以外のほとんどの研究者は、付属書Iを支持したのである。それもそのはず、近年の減り方が尋常じゃないのだ。次の図は、ICCATの科学委員会が推定した成熟魚の資源量である。 SSB(産卵親魚のバイオマス)のスケールに注目して欲しい。成熟年齢が長く寿命が長い種の親が10万トンを大きく割り込んだ状態で、毎年2万トンも輸出しているの

    felis_azuri
    felis_azuri 2012/07/04
    『ワシントン条約の規制まで、日本人は、ヨーロッパウナギを大切に食べていたかというと、そうではない。ニホンウナギの下位代替品として、スーパーで山のようにたたき売りされていた』
  • 水産庁のストロンチウムの検査が酷すぎる件について - 勝川俊雄公式サイト

    全て不検出なのですが、ストロンチウム汚染がなさそうな魚ばかりを検査しているのだから、手放しでは喜べません。 地図に日付を入れるとこんな感じになります。 これらの場所に汚染水がいつ到達したかを、JAMSTECのシミュレーションでみてみましょう。 犬吠よりも南の黒潮系のエリアには、汚染水はほとんど入れないので、マイワシとカタクチは計測するだけ時間の無駄です(セシウムが若干出ていますが、恐らく大気から落ちてきたものでしょう)。また、コウナゴにしても、4/8は高濃度汚染水がまだきていないし、4/12も汚染水が来るか来ないか、ぎりぎりのタイミングなので、徐々に骨に蓄積されるストロンチウムが出なくても不思議ではありません。汚染水にさらされる前の魚のみを検査しているのだから、ストロンチウムが不検出という結果は当然です。「ストロンチウム不検出」というアリバイを作るための出来レースのような印象を受けます。水

    felis_azuri
    felis_azuri 2011/06/28
    『水産庁の調査は、国民を放射能から守るのが目的ではなく、低い値を出して「問題はない」と主張するのが目的のようです。こういう姿勢で検査をしている限り、消費者の信頼は得られない』
  • 放射性セシウムの海洋汚染が人体に及ぼす影響を数理モデルで試算してみた - 勝川俊雄公式サイト

    福島原発から、放射性のセシウムが海水に漏れ出しています。その濃度は、基準値の350倍にも達しているようです。このまま放射性物質の漏洩が続くと、魚が汚染されて、それをべた人間が被曝する危険性があります。汚染された魚をべ続けると、どの程度の被曝を受けるのかを、単純なモデルで、乱暴に計算してみました。 データ・モデル パラメータの値や、計算内容は、このワークシートを参照して下さい。 魚のセシウム137の生物学的半減期 50[日](ソース) 1日経過後のセシウムの残留率:0.5^(1/50)=0.986 毎日、1.4%ぐらいのセシウムが、体の外に出て行く。 生物濃縮係数  50(環境の50倍まで濃縮される)(ソース) 体に取り込む量は、海水のセシウム濃度X  [Bq/L]に比例すると仮定し、その係数をdとする。魚の体内のセシウムの濃度が、環境濃度Xの50倍になったときに、摂取量と排出量が釣り合

    felis_azuri
    felis_azuri 2011/04/03
    『汚染された海域の魚を何も考えずに食べ続けるた場合の被曝量を試算してみた。一年半後にはほぼ頭打ちになり、だいたい20mSV程度の被曝に』
  • シーシェパードが急成長した原因は、日本の失策 - 勝川俊雄 公式サイト

    ここ数年のシーシェパードの装備の充実には目を見張るものがある。2007年12月には、スコットランドの漁業監視船を中古で購入し、さらに、2010年には、中古の捕鯨船を購入する羽振りの良さだ。 M/Y Steve Irwin December 5, 2007 全長53m, スコットランドの漁業監視船 M/Y Bob Barker January 5, 2010, 全長52.2 m、ノルウェーの捕鯨船 今は、ヘリコプターも持っているので、ひとたび発見されたら、逃げ切るのは困難だろう。 切っ掛けはザトウクジラ シーシェパードの急成長の要因は、水産庁のザトウクジラ捕獲宣言だ。豪州やNZのホエールウォッチング愛好家は、南氷洋のザトウクジラを個体識別して、名前をつけて、愛でている。水産庁は、2007年から、南氷洋のザトウクジラを50頭捕獲すると宣言して、南半球の反捕鯨運動の火に油を注いだのである。豪州は

    felis_azuri
    felis_azuri 2011/03/10
    『シーシェパードが怪しからんと思う人間は、その怪しからん団体が、何で大型船をバンバン買えるのか考えてほしい。ザトウ捕獲宣言をして、シーシェパードに寄付金があつまる状況をつくったのは、他ならぬ水産庁』
  • 日本のサメ漁は、どうして非難されているの? - 勝川俊雄公式サイト

    今回のサメキャンペーンでは、いろいろな論点がごちゃ混ぜになっている。気仙沼のサメ漁に対する非難も、人によって言っていることが、だいぶん違う。いったい、何が問題視されているかを整理してみよう。 1)種・生態系の持続性に関する問題 ヨシキリザメは準絶滅危惧種→絶滅のおそれ 高次捕者は海洋生態系で重要な役割→獲るべきではない 2)倫理的な問題 ヒレだけ獲って体を捨てるのはよくない 生きたままヒレを獲られて、もがき苦しむサメが気の毒 もったいない サメのようなすばらしい生物を殺すなんて、可哀想!! サメ漁非難の根拠は、資源・生態系の持続性に対する問題と、倫理的な問題の2つに分類できる。自然保護キャンペーンは、持続性と倫理の問題を並べて広げてくる場合が多いのだけど、論点をきちっと分けた上で、議論をしないといけない。 持続性について 持続性を無視して、絶滅するまで獲って良いという人は、ほとんどいない

  • 韓国漁船は、クロマグロの産卵群を獲れません - 勝川俊雄 公式サイト

    「水産庁がクロマグロの産卵場での操業を規制しても、韓国が獲るから意味がない」と考える人もいるようですが、韓国はクロマグロの産卵場で産卵群を漁獲していないし、今後も獲れないでしょう。 韓国漁船の違法操業問題ですが、ほとんどがEEZの縁辺部での小競り合いです。夜中に漁具を仕込んで、次の日の夜中に漁具を回収というのが基で、漁具としては、刺し網やカニカゴなどでしょうか。 クロマグロで問題になっている大型巻き網の場合、4~5隻で船団を組みます。まず、まず群れを見つけて、産卵行動で浮き上がってくるまで、ソナーを使って長時間追跡する必要があります。産卵行動で浮き上がってきたところを巻くのですが、網を入れてから、上げるまで、1回の操業に2時間はかかります。産卵場は、日のEEZのど真ん中です。日中の大型巻き網船団が、狭い海域でマグロの群れを奪い合っているところに、韓国の船団がノコノコ入って、暢気に操業

    felis_azuri
    felis_azuri 2010/08/11
    『日本がやるべきことは、資源管理を国内外で進めることです。日本海の産卵群は日本漁船しか獲っていないし、そもそも海外船はアクセスできないのだから、日本国内の規制でも十分効果が』
  • 水中ストロボ - 勝川俊雄 公式サイト

    の「ドラ○もーん、せっかく巻いた魚が、網の下から逃げちゃうんだ。これじゃあ、一網打尽とはいえないよ」 ド「そんなときには水中ストロボ!!。 まき網の網口を閉じるときに、下からこのストロボをたけば、おどろいた魚が網口から逃げられなくなるんだ」 の「すごい。これなら、ぼくでも、一尾のこらず、一網打尽にできるね。ありがとう、ドラ○もん。」 最近、巻き網漁師の間で、「ピカ」という道具が広まっています。魚の群れをまき網で巻くときに、一部の魚が網口から逃げてしまう問題がありました。網口の外側でストロボを炊くと、ビックリした魚が網口と反対側に逃げるで、網から外に魚が出るのを防ぐことが出来る。水中ストロボを使うと、ほぼ取り逃がしがないということで、瞬く間に広がりました。詳しい仕組みは、業者のサイトをご覧ください。 さらに悪いことに、沿岸の刺し網が、これを藻場で使っているという話。藻場のそばに刺し網を

    felis_azuri
    felis_azuri 2010/07/30
    『まともな国なら、こんな漁法を野放しにしておくなど、あり得ない話であり、船に摘んでいるだけで違法にしても良いぐらい』
  • The Coveの感想:これはやばい - 勝川俊雄 公式サイト

    映画の感想 「かわいいイルカちゃんを殺す悪い奴らと闘う、僕ら正義の保護団体」というシンプルなメッセージ。「悪い奴は明らか、問題も明らか、あとは辞めさせるだけ」、ということだ。同じドキュメンタリーでも、Our daily bread(邦題:いのちのべかた )と比較すると、メッセージの質は低い。しかし、わかりやすさという点では、良くできている。 エンターテイメントとしても、それなりに楽しめる。世界一のビルを上る男とか、ジオラマ作成専門家とか、いろいろな特技を持った人間が協力してミッションを行うストーリーは単純明快でアメリカン。悪者にされた日人にしてみれば、かなり不愉快な映画であります。この映画によって、日人のイメージは確実に悪くなりますね。The Coveの内容についてはこちらのサイトが詳しいです。 この映画の価値を決定づけるのは、画像のインパクト。海で大量のイルカを処理すると、湾は文字

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    felis_azuri 2010/07/07
    『自衛をしないと、保護団体から、いくらでもつけ込まれる。良くも、悪くも、そういう過激な人たち・価値観とも折り合いをつけていかないとならない時代になったと言うこと』
  • 今年も巻き網による日本海クロマグロの漁獲が始まりました - 勝川俊雄 公式サイト

    海の巻き網のクロマグロ操業が6/1からスタートした。ことしも、胃が痛む、憂なシーズンが幕開けだ。 西日有数の漁業基地・鳥取県境港市の境漁港に1日、今季初めてクロマグロが水揚げされた。境港の水産業は景気低迷に伴う魚価安で苦境にあるが、例年より一足早いマグロシーズンの到来に浜は久々に活気付いた。 http://www.nnn.co.jp/news/100602/20100602039.html 大洋A&F(東京)所属の「第21たいよう丸」が能登半島沖で捕獲したクロマグロ約30トン。現地レポートによると、1200で30tとのこと。平均重要は25kgで、もちろん、未成魚だ。この1200を、今すぐに獲らずに、7歳まで待って、1釣りで獲るとどうなるか試算すると次のようになる。 計算の詳細 たいよう丸の利益は次のように計算できる。 1500円×25kg×1200=4500万円 7歳魚

    felis_azuri
    felis_azuri 2010/06/04
    『目先の4500万円を得た代償として、未来の漁業全体の利益が2億9千万円、失われたわけです。また、4歳から成熟をするので、7歳までに4回産卵できました。資源の再生産に大きく寄与したはず』
  • クロマグロ騒動の問題点は… 元凶は日本人の異常な食欲 - 勝川俊雄 公式サイト

    http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/100502/sty1005020700000-n1.htm 【現場発 ニュースを見に行く】クロマグロ騒動の問題点は… 元凶は日人の異常な東大の大気海洋研の木村先生の記事だね。木村先生は稚魚の輸送などの専門家で、ウナギの輸送メカニズムの研究で有名な方だが、稚魚の飼育実験もされているので、養殖種苗の生産に関しても造詣は深い。木村先生のマグロ畜養に関する指摘はまったく正しい。よくぞ言ってくださった。 日近海のクロマグロは、巻き網で捕らないなどの暗黙のルールが守られてきたが、最近は日海でクロマグロの巻き網漁を行い、畜養する業者が出現。木村教授は、「これを続ければ、日近海のクロマグロが大西洋・地中海産クロマグロ同様に国際会議の議題に上がる日も近い」と警鐘を鳴らす。 畜養向けのヨコワの漁獲はほとんどが曳

    felis_azuri
    felis_azuri 2010/05/19
    『クロマグロ養殖とウナギ養殖は、技術的に一歩進んだと言うだけで、実用化には、あと数百歩必要。「養殖技術があるから、もう天然魚はいなくても大丈夫だよね」という勘違いを誘うような報道はどうかと思うよ』
  • 欧州の食文化を破壊する日本の魚食 その1 - 勝川俊雄 公式サイト

    ヨーロッパウナギはどうなったか? 大西洋クロマグロ資源が危機的なことは、いろんな状況証拠から明らかであり、数年後には漁業は途絶えていると思う。ただ、現段階で、欧州の陰謀論では無いことを証明しろと言われると、難しい。その代わりと言っては何だが、過去にワシントン条約で規制されたヨーロッパウナギの事例を振り返ってみよう。ヨーロッパウナギは、2007年から、ワシントン条約の付属書IIで規制されている。そのときも、日メディアは、卓の危機・文化の危機などと騒ぎ立てたのだが、いざ規制が始まると、全く情報が途絶えてしまった。その後のことを知っている日人はほとんどいないだろう。 ヨーロッパウナギは、今も全く回復していない。EUの管理の下で、漁獲は厳しく制限されているが、回復のめどは立っていない。水産資源は減らしすぎると、回復能力が著しく失われることが知られている。ある程度以上減らしすぎると、たとえ禁

    felis_azuri
    felis_azuri 2010/03/29
    『ヨーロッパウナギは、今も全く回復していない。EUの管理の下で、漁獲は厳しく制限されているが、回復のめどは立っていない』『ワシントン条約で規制される直前まで(略)ヨーロッパウナギは年間2万トンも輸入』
  • ワシントン条約の報道において、日本のメディアは国民に何を隠したか - 勝川俊雄公式サイト

    メディアは、ドーハ締約国会議をどのように伝えたか 今回のクロマグロのワシントン条約に関して、日の報道は、「欧米の資源囲い込みの陰謀から、日文化を守らなくてはならない。水産庁がんばれ!!」という論調一色であった。とくに、読売の社説は、水産庁の主張をそのままコピペしたような感じだ。 「文化守られた」 マグロ禁輸否決で市場関係者や消費者(中日新聞) http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010031902000226.html マグロをべる日文化が守られた-。マグロの入手困難や、価格高騰を懸念していた東海地方の市場関係者や消費者からは安堵(あんど)の声が上がった。 クロマグロ規制 全面禁輸はあまりに強引だ(3月16日付・読売社説) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/2

    felis_azuri
    felis_azuri 2010/03/21
    『EUでの規制強化では対応できない。そこで、今回のワシントン条約と言うことに』『ICCATで厳しい枠をつけても、リビア→日本という黒いホットラインがある限り、不正漁獲はなくならない』
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