リニア中央新幹線計画の環境影響評価(アセスメント)手続きで、5日に公表された「環境大臣意見」。オオタカなど希少動物保護や、工事で発生する土砂対応などを求め、JR東海に対する厳しい姿勢が際立った。一方、特に県や南木曽町が繰り返し要望していた「作業用坑口」の数の削減については明言を避けた。 JRが4月、環境影響評価書を公表したことを受け、環境省が内容を検証していた。7項目の各論に分かれた12ページの意見書は、県内の地名を挙げるなどして説明。巨摩山地(山梨県)―伊那山地(長野県)の区間では、トンネル工事で地下水への影響が大きいとし、着工前の調査実施を求めた。喬木村ではオオタカの営巣地をリニアが通過する計画で、2~7月の営巣期の工事を回避するよう指摘した。工事による土砂については、地元自治体と協議して着工前に保管場所の規模などを定めた管理計画を策定、住民説明を求めた。南アルプス国立公園内の改変は避
JR東海が4月に国土交通相に提出したリニア中央新幹線計画の環境影響評価(アセスメント)書をめぐり、阿部守一知事や長野県内沿線市町村長らは13日、環境省を訪れ、国交相に意見を送る立場の環境相宛ての要望書を提出した。作業用トンネル坑口(非常口)の削減や、下伊那郡大鹿村の小渋川に架ける橋の地中化が可能かどうか、専門的・技術的な見地で検討することを、国交相に対する意見書の中に盛り込むよう求めた。 この他の要望は、JRが工事用車両の交通量削減につながる方策を取り、環境保全協定を締結することなど。JR側は評価書で、坑口数や橋は準備書に示した当初計画にほぼ沿い、工事用車両の運行計画などは関係市町村の要請に応じて確認するとしている。 要望書を受け取った谷津龍太郎・環境事務次官は「地元の意見を承りながら、しっかりと審査したい」と述べた。 この日は、南信州広域連合長の牧野光朗・飯田市長や柳島貞康・大鹿村
JR東海が2027年に東京―名古屋間の開業を予定するリニア中央新幹線について、県リニア推進振興室の吉沢久室長は10日、飯田市内で開かれた南信州広域連合の第2回広域計画策定委員会で、同市上郷飯沼・座光寺に建設予定の中間駅の名称について「おそらく10年以上先に決まるのではないかと思われる」と述べた。北陸新幹線延伸区間の駅名決定時期を踏まえて発言した。 吉沢室長は、県のリニア活用基本構想に加え、他の新幹線の駅名が決まった時期に言及。来年3月開業予定の北陸新幹線の駅名について「正式決定は昨年6月、開業予定の1年9カ月前だった」と説明した。16年春に開業予定の北海道新幹線は、隣り合う北斗市と函館市の協議が難航し、「まだ駅名が決まっていない」とした。発言について、吉沢室長は取材に個人的な予想と話した。 リニア駅の名称では、昨年12月に飯田下伊那地方の経済団体関係者らが開いた会合で、市内に建設される
外観を透視した、リニア新幹線の地上駅イメージ図=JR東海提供 【宋光祐】JR東海は13日、2027年に品川―名古屋間で開業予定のリニア中央新幹線の中間駅(地上駅)のイメージ図を公表した。座席は全席指定ですべて事前予約制にして、駅には切符売り場を設けないなど「コンパクトな駅」をめざす。高架下などのスペースは地元などに賃貸する。 この日、山梨県昭和町で開いた住民説明会でJR東海が明らかにした。 中間駅は、神奈川(相模原市)、山梨(甲府市など甲府盆地南部)、長野(高森町、飯田市)、岐阜(中津川市)の4県に建設するが、神奈川県以外は高架の地上駅となる。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方) 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら関連記事(ヒット!予感実感)超特急勢揃い、過去から未来から(5/2)リニア駅、
リニア中央新幹線建設促進飯伊地区期成同盟会は3日、正副会長会を飯田市役所で開いた。2011年度収支決算報告と監査報告を承認した後、リニア中央新幹線の役割分担に関するJR東海の提案、県環境影響評価技術委員会が同日審議を終了した環境影響評価方法書について協議した。 JR東海の提案は、昨年11月に同社が中間駅の建設費を全額自社負担するかわりに、県・市町村に役割分担を求めた内容。県交通政策課が整理したものを市リニア推進対策室の木下悦夫参事らが説明した。 それによると、同社が利用者に必要とする設備を備えた駅は、同社が建設費を負担して整備するが、全般的に徹底した建設費の圧縮を行う。営業専任要員は配置しないなど、運用面を含め、効率性と機能性を徹底して追及したコンパクトな駅を目指す。設備の具体的内容は、今後検討の後、明らかにする。地上駅は2面4線の島式ホームで、地上に入出場口、改札設備、旅客トイレを設置。
リニア中央新幹線計画で県の環境影響評価技術委員会(委員長・亀山章東京農工大名誉教授)がJR東海に求めていた環境影響評価(アセスメント)方法書への評価項目の追加を、同社が見送る方向であることが2日、関係者への取材で分かった。技術委側は方法書への明記なしには十分なアセスが保証されないと懸念しており、3日の最終審議で同社側がどう理解を得るかが焦点となりそうだ。 同社が昨年9月に公表した方法書は、リニア建設や開業後の鉄道施設の稼働が影響を及ぼすと考えられる大気や水環境、動植物などアセスでの評価項目となる「環境要素」を選定。今後のアセスで環境要素の有無や状態を調べ、影響を予測・評価して結果を準備書にまとめて公表する。 技術委は方法書に対し知事が意見を述べる際の参考にするため、専門的見地から方法書を審議。1月18日の前回会合では、トンネル工事中の地形地質への影響、地上工事が景観や眺望に与える影響な
JR東海が示したリニア中央新幹線の県内中間駅位置案(直径5キロ円)内にある飯田市座光寺の恒川(ごんが)遺跡群で3日、市教育委員会が進める発掘調査の説明会が開かれた。奈良・平安時代に栄えた伊那郡の役所「郡衙(ぐんが)」跡とされており、集まった住民からは「地域の遺産」として保存を求める声が上がった。 同遺跡群はJR飯田線元善光寺駅の南東に広がる。市教委によると、国道153号バイパス工事などに伴うこれまでの調査により、郡衙の一部で、倉庫群があった「正倉域」が確認されている。 昨年度からの調査では、政務をした建物などがあった郡庁の確認を目指している。硯(すずり)や陶器の破片に加え、地下に掘り下げた可能性のある遺構が見つかっている。 地元の住民組織「座光寺地域自治会」は、リニアの環境影響評価(アセスメント)方法書への意見で、恒川遺跡群とすぐ北の県史跡「高岡第1号古墳」を避けて建設するよう求めて
JR東海のリニア中央新幹線整備計画で、諏訪や上伊那など県内5地域の期成同盟会に対する2回目の説明会が松本市で開かれ、同社が東京―名古屋間の建設費について、諏訪・伊那谷回りのBルート案の建設費が5兆7400億円に上り、南アルプスをトンネルで貫通するCルート案を6400億円上回るなどとする試算などを説明した。地元出席者からは、南アルプスのトンネル建設計画をはじめ工事費の積算根拠が不明確などとして、不満や反発の声が相次いだ。 説明会はJR東海側の要請で冒頭以外は非公開。各期成同盟会の関係者ら約240人に対し、同社の増田幸宏・東海道新幹線21世紀対策本部長らが、着工の前提となる4項目調査のうち、各ルート案の建設費の試算などについて説明した。 県や同社によると、同社は東京―名古屋間の各ルート案について、BルートがCルートに比べ工事費で6400億円、路線距離で60キロ、所要時間で7分程度上回るとす
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