(英エコノミスト誌 2012年8月11日号) 制御された形でのユーロ圏の解体は、非常にリスクが高く、代償も大きい。しかし、解決策が現れるのを待つことも同様だ。 ことによると、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は今この瞬間も、ユーロ圏を解体する方法を熟考しているかもしれない。 結局不十分であることが分かる救済策を巡ってユーロ圏内で延々と言い争いを演じていることを考えると、ずっと苦しみ続けてきたメルケル首相は、解体の誘惑に駆られているに違いない。 メルケル首相は、ドイツを守るために奮闘した挙げ句、国内で弱腰と批判されることに、どれほどうんざりしていることか。ドイツの富を犠牲にした挙げ句、救おうとしている当の国々でナチス呼ばわりされることを、どれほど腹立たしく思っていることか。 だが、極めて現実的なメルケル首相には、ユーロ圏解体に向けた緊急対応策を練り始める現実的な理由もある。ユーロ圏解体の可能性は