建築学と情報工学の融合が進む昨今、これからの「建築家」という職能はどう変化していくのか――キーパーソンへのインタビューを通して、建築家の技術的条件を探る本連載。第2回は、コンピュータを用いた新たな設計理論を「アルゴリズミック・デザイン」の名前で提唱している、慶應義塾大学SFC教授の松川昌平氏とともに、建築における「設計方法論」という技法の発展について考えます。 1.設計方法論の歴史 中村(以下、N)本連載の第2回である今回のテーマは「設計」です。前回の製図と同じく、設計という言葉は建築家にとってあまりにありふれた状態・状況を指すものであり、それ自体を意識的に考える機会というのはあまり無いかもしれません。しかし実は昔、「設計」が国際的な研究対象であった時代がありました。のちに触れる「設計方法論」と呼ばれる学問領域が、設計の手法・技法の分析と開発を試みていたのです。このように設計には、優れて技
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