初めて顧客先を訪問したときのことを、筆者は今も覚えている。某ITベンダーに入社し、配属されて約1週間。あるシステムに関する報告をしてきてほしいと、開発部門から依頼があった。その際に同行してくれたのは上司でもOJTの先輩でもなく、当該システムを長く担当してきた派遣技術者の方だった。打ち合わせ前に顧客と打ち解けた様子で雑談する彼の姿を見て、緊張がほぐれたものだ。 過去に実施したシステム変更などの経緯に詳しく、社内外の信頼も厚い彼には、それから何度も助けてもらった。こうした派遣技術者に心当たりのある読者の方々は、決して少なくないのではないか。自分自身のことだ、という派遣技術者の方もいるだろう。同じ職場や関係部署など、至るところに“頼れる”派遣技術者がいるはずだ。 情報処理推進機構(IPA)が発行する「IT人材白書 2013」によると、日本のソフトウエア技術者の数は100万人弱。一方で厚生労働省の