字幕の壁を乗り越えた『パラサイト』だからこそ、気が付いて欲しかったこと MATT PETITーHANDOUTーA.M.P.A.S./GETTY IMAGES <外国語映画の作品賞受賞が投げ掛けるアクセシビリティの問題> アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーは先頃、来年からノミネート作品に「多様性と包括性の新たな基準」を設けると発表した。 近年「#OscarsSoWhite(オスカーは白人だらけ)」の批判を受け、アカデミーはさまざまな修正を試みてきた。だが、その結果は複雑だ。 今年2月に韓国の『パラサイト 半地下の家族』が外国語作品として初めて作品賞に輝いたことは進歩の兆しであり、アメリカの観客はポン・ジュノ監督の言う「1インチの字幕の壁」を乗り越える準備ができたとも受け止められた。 しかし、ハリウッドが他の文化圏の作品を認めようとしないことを象徴する「壁」の議論が、どういうわけか