南方熊楠が南紀行幸した昭和天皇に菌類などをまとめて献上した際に使ったキャラメル箱。直筆の文字が上部にある=魚津市の魚津埋没林博物館で 魚津埋没林博物館で企画展 魚津埋没林博物館(魚津市)の企画展「ふしぎでかわいい粘菌の世界展」が二十一日、始まる。埋没林や蜃気楼(しんきろう)だけでなく、魚津の自然を多角的に見直す取り組みの一環。目玉は著名な博物学者で粘菌研究の先駆者、南方熊楠(一八六七〜一九四一年)の直筆入りキャラメル箱。所蔵する南方熊楠顕彰館(和歌山県)を含め、公開されるのは初めてという。 (松本芳孝) キャラメル箱は小箱六十箱入りの大型辞典サイズ。「苔蘚」「地衣少々」「川岩簟」の文字が入っている。一九二九(昭和四)年に昭和天皇が南紀行幸(ぎょうこう)した際、粘菌などを入れた小箱をまとめて入れて天皇に献上し、進講(講義)したという。