前置き 『日本語組版処理の要件』[1]が現場で適用するレイアウトルールと誤解されがち、みたいな話があります[2]。本記事は、「日本語組版をするならこうしなければ」という話ではありません。飽く迄、「なんか言語化できないけれど、組版が好い感じにならないな」というときに、「こうしてみると好いんじゃない?」というフワっとした話です。 基本テキスト設定(<fo:root>) 先ず、主に利用するテキスト設定については<fo:root>で行うのが好いです。 テキスト周りのプロパティは指定が無いとき継承されるものが殆どです。そしてFOのルート要素である<fo:root>に指定されていればちぐはぐな設定を減らせます。継承というのは、同名プロパティの直接的な話に限りません。例えば、@font-sizeを基に決定される相対的な値としてemがあります。<fo:region-after>の@extentにem単位で