■京都精華大学特別講義テキスト ●マンガとアニメーションの間に(1-2) 第一回「ウィンザー・マッケイの人と業績」(2) ●講師・竹熊健太郎 ●アニメーション作家としてのマッケイ マッケイは舞台芸人でもあり、舞台の出し物としてアニメを始めたことは有名である。彼のアニメ第一作『リトル・ニモ』(1911)は、自作マンガのキャラクターをただ動かしただけの実験作だが、シンプルな線がうごめきながら形となり、それがメタモルフォーゼを繰り返しつつ優雅に動き回るさまには、アニメの魅力の全てが実現されているといっても過言ではない。彼はこの2分強の作品のために、四千枚の原画を描いたという。 この試みは簡単なストーリーを持つ『蚊はいかにして行動するか』(1912)でさらに追求され、1914年の話題作『恐竜ガーティ』でひとつの頂点に達した。 初期マッケイ・アニメの特徴は、背景とキャラクターをすべて一枚の紙に描く「