高畑勲・宮崎駿をアニメーションへと誘った、アンデルセン原作の『王と鳥』。ジブリの原点、映画『王と鳥』公式サイト。 こんな小話があります。 ある人が死に際して、三人の息子に言いました。「うちには十七頭の羊がいる。そのうち二分の一を長男に、三分の一を次男に、二頭を三男に与えよう」。息子たちはいくら考えても解らなくて、僧侶に相談します。すると僧侶は羊を一頭貸してくれました。かくして十八頭となった羊のうち、九頭を長男が、六頭を次男が、二頭を三男が取り、僧侶は一頭の羊を連れて帰っていったのでした。 この「王と鳥」という作品を観て、そんな事をふと思い出しました。僧侶の連れてきた羊のように、表層には見えない、描かれていない「何か」を足さないと、この物語は絶対に割り切れないのです。 なに、この「王と鳥」、お話を説明するのは簡単なのです。 ある孤独な王様が絵の中の娘に恋をする、娘は隣の絵の青年と愛し合ってい