■冷たくて、おいしい! 「子供が飲む風景」が戻った かつて「まずい」「臭い」といわれた大都市の水道水が、この10年で劇的に進化している。ボトル水に比べ、格段に安く環境にも優しい水道水。地球温暖化や世界的な水不足を背景に、欧米各国で水道水への注目が高まるなか、”蛇口回帰”に向けた国内の取り組みを追った。(中曽根聖子) ≪五輪招致の鍵≫ 「東京の水道水は驚くほどおいしくなった。冷やして飲めば、市販のミネラルウオーターに負けません」 東京都水道局の筧直(かけひ・すなお)調査課長はこう胸を張る。都は「水は東京五輪の招致に重要なキーワードになる」として、英語版のポスターも作成。蛇口をひねれば安全でおいしい水が飲める都市、TOKYOを世界に向けてアピールする。 東京の水道水に苦情が殺到したのは昭和40、50年代。急速な都市化で、生活排水や工場排水が川に流れ込み水質が悪化したからだ。その対策として都が